「猿とシェイクスピア」の話は、いろんな文脈で出てくるアナロジーです。 猿がランダムにキーボードをたたき続けると、いずれはシェイクスピアの戯曲と同じテキストが生成される。 あるいはその逆に、 猿がランダムにキーボードをたたき続けてシェイクスピア…
暑かった夏ももう終わり。そろそろ秋ですね。 この記事では初秋らしく、テスト技法を分類する切り口の1つとしての「Ostrandの4つのビュー」を紹介します。 手始めに、『ASTERセミナー標準テキスト』を引用してみましょう。 ASTERセミナー標準テキストV3.1.1…
小説なんかでいわれる「緻密なプロット」の何がすごいって、「情報に関する情報」のコントロールだと思うんですよね。 人物Xは、事実Fを知らない。 人物Yは、事実Fを知っている。 これなら単純なのですが、一階層上がって 人物Zは、「人物Xが事実Fを知らない…
今年の前半6か月で読んだ本のうち、お気に入りのものを紹介します。 読んだ後時間が経つとどんどん書く気がなくなるので、その時点でツイートに吐き出したものをまとめ直しております。 なお、前回分はこれ。 www.kzsuzuki.com IT技術系 アジャイルメトリク…
不意にブログオラクルが降りてきたので、書き殴っておきます。 「距離」パラダイムと「追随」パラダイム 先日のブログ記事で、こんなことを書きました。 www.kzsuzuki.com ユーザ要求の変化に追随する能力が、アジャイル開発における品質のメトリクスの1つと…
「アジャイルテストの4象限」についてのやりとりをTwitterでみていて、James Bach、Michael Boltonの両氏が何年か前に公開していた『The New Agile Testing Quadrants』という資料を読み直してみました。 The New Agile Testing Quadrants: Bringing Skilled…
miwaさんがJaSST東北から以下のツイートを送ってくれました。 バグの現象(見た目)だけで重篤度?を決めるのはホント危ないです。バグの原因とそこから想像する一番嫌なことで決まるので「軽微なバグだな」と思っても軽視しないようにって、いつも自分に言い聞…
ソフトウェア開発における品質のメトリクスについて、新旧2冊の本を比べてみました。 1冊は、『初めて学ぶソフトウェアメトリクス』。 原著『Five Core Metrics: The Intelligence Behind Successful Software Management』(Lawrence H. Putnam、Ware Myers…
ちょっと前に、テストケースとAcceptance Criteria*1(以下「AC」)の関係について、こんな疑問を抱きました。 ACが、「ユーザーストーリーが満たすべき必要条件」だとすれば、それはテストケースとどう違うのだろう。ACのあるべき記述粒度って? この疑問に…
『土台からしっかり学ぶ ソフトウェアテストのセオリー』を、著者のお一人経由でリックテレコムさんからご恵投いただきました。 土台からしっかり学ぶーーソフトウェアテストのセオリー作者:小川秀人,佐藤陽春,森 拓郎,加賀洋渡リックテレコムAmazon ここま…
前回の記事の元ネタとなったHideo Oideさんのつぶやきから、「結局のところ、ドメイン分析テストとデシジョンテーブルテストの違いって何よ」という議論が生まれています。 この記事では、この議論に対するわたしの見解を整理してみます。よい解釈かどうかは…
Hideo Oideさんが、こんなつぶやきをしていました。 ドメイン分析でブツブツ言ってるのは、某ショップで(Amazonや楽天じゃない)、4000円以上お買い物すると送料無料(700円)、10%引きのクーポンが付与されてたって条件で、4100円分買うと、4100−410+700=4…
「データ駆動テスト」についてのメモを書こうと思い立って、その前にまず「テストケースの構成要素」について整理しようと思って、そのためには「テストケースの期待結果と事前・事後条件」について考えをまとめなくてはならないと無限後退している鈴木です…
『アジャイルメトリクス』を少しずつ読んでいます。 アジャイルメトリクス作者:Christopher W. H. Davis翔泳社Amazon 職業がら、最初をすっ飛ばして「品質」の項から手を付けていることもあり、なかなか歯ごたえのある(つまりわたしには難しい)本だなーと…
2023年3月9日・10日に開催されたJaSST '23 Tokyoで、『テストウェアのデータモデル』というタイトルの発表をしてきました。セッションのパートナーは、朱峰錦司(きんぢ)さんです。 発表の背景 以前に比べてだいぶ普及してきたテスト管理ツール。しかしテス…
ChatGPTでテスト設計してみた記事と、そのアンサーソングを見つつ、また色んな人が色んなことをやってみた記事をみてChatGPTのすごさがあらためて伝わってきました。両方ともとても面白い記事です。 zenn.dev nihonbuson.hatenadiary.jp 一方、わたしのは埋…
マイナビの記事で掲載されたグラフが難解だと、Twitterで話題になっていました。 元記事はこちらです。 https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230215-2592553/news.mynavi.jp この記事では「リスキリング」という言葉がどのくらい認知されているかにつ…
Developers Summit (デブサミ) 2023で、「テストを学んでみたい開発者のためのソフトウェアテスト読書マップ」という発表*1をしてきました。 event.shoeisha.jp 資料はこちらです。 speakerdeck.com これまで、ソフトウェアテストとかQAの世界でばかり聴講や…
10月に「2022年度上期」版を書いてしまったのですが、こういうのって「年度」じゃなくて「年」単位で書くっぽい! なので、2022年10月~12月の3か月分で書きます。年度上期分は以下。 www.kzsuzuki.com 漫画 ピアノの森 ピアノの森(1) (モーニングコミッ…
タイトル長すぎてすみません。 発表資料はこちらです。 speakerdeck.com vol.19は、わたしが発表予定を確認した時点では石川冬樹先生の「画像生成AIのQAを考えてみる」しかエントリーされておらず、「専門家の話を聞く前の前座として、AIのテストについての…
最近、「5匹の猿の実験」(the Five Monkeys Experiment)という話を知りました。有名な話なのかもしれませんが、全然知らなかったので紹介してみます*1。 本当の実験というよりは、寓話的なもののようですが、ともかく以下のような内容です*2。 5匹の猿の実…
みなさん、こんにちは。 この記事は、「ソフトウェアテストの小ネタ Advent Calendar 2022」 9日目の記事です。 qiita.com ChatGPTに生成させたと思しきジョークが、テストエンジニアのブログで紹介されていました。 以下は、その日本語訳です。 天国行きと…
みなさん、こんにちは。 この記事は、「ソフトウェアテストの小ネタ Advent Calendar 2022」 8日目の記事です。 qiita.com 唐突ですが、比喩表現って種類が多すぎますよね。 文学的なみなさんは、その使い分けにお困りのことと思います。 直喩、暗喩、換喩、…
みなさん、こんにちは。 この記事は、「ソフトウェアテスト Advent Calendar 2022」 7日目の記事です。 qiita.com 「バグトリ」という言葉に惹かれて読んだ、『バグトリデザイン』という本を紹介します。 バグトリデザイン 事例で学ぶ「行為のデザイン」思考…
上期に読んだ本の中で特によかったものを、Twitterに放流した感想を流用しながら、紹介していきます。 技術書もたくさん挙げられるといいのですが、技術書って「読み終わる」じゃなくって、「読み続ける」感じなので、完結したレビューが書きづらいんですよ…
テスト管理ツール導入を検討するにあたって、「Excelと比べて何がいいのよ?」という疑問は挙がって当然でしょう。 ツールベンダからの情報はけっこうあるのですが、ユーザからの情報ってあんまりないんじゃないかと思って、ちょっと書いてみました。導入の…
信頼できる読み手がTwitterで言及しているのを見つけて読んでみました、『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』。 期待通り、とってもいい本だったので紹介してみます。 アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの…
テストエンジニアの多くが一度は耳にし、解いたことがあるであろう「Myersの三角形問題」。 社内のソフトウェアテスト勉強会で、n年ぶりm回目で解いてみました。 この10分ほどのトライを通じて、以下のようなことを再認識しました。 Myersの三角形問題とは M…
2022年9月9日にこんなツイートをしたところ、 ソフトウェアテストの書籍・資料について、こういうマップを作ってみたい。「QA関連」でできるといいんだけど、縦軸が定まらない。一番繰り返し読んでいるドリル本をサンプルにしてみたけど、テスト分析自体がす…
ちょっと前の話、「ソフトウェアテストの7原則」のオマージュとして、「ソフトウェアバグの7原則」というのを思いつきました。 キッカケは冗談だったのですが、思いのほかいろんなアイデアをいただきまして、「ならちゃんとやろう!」として、「ソフトウェア…