ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

JaSST'23 Tokyoで、テスト管理ツールの話をしてきました #jassttokyo

 2023年3月9日・10日に開催されたJaSST '23 Tokyoで、『テストウェアのデータモデル』というタイトルの発表をしてきました。セッションのパートナーは、朱峰錦司(きんぢ)さんです。

発表の背景

 以前に比べてだいぶ普及してきたテスト管理ツール。しかしテスト管理ツールはその名の通り「道具」であり、勝手に何でもやってくれるわけではありません。
 ツールが用意してくれるのはざっくりとした「枠組み」とそれを利用するための「機能」であって、それを自分たちの仕事にどう生かすかは、自分たちで設計する必要があります

 このセッションは、テスト管理ツールを「使う」側(鈴木)と「作る」側(きんぢさん)で、それぞれが考える悩みと、それに対するアイデアを交換し、さらに聴講者の方の質問にも答えていこう!という、60分にしてはなかなか詰め込んだ企画でした。

感想

 セッションに向けて資料を作成する中で、自分が課題と感じていることとをある程度クリアに言語化できましたし、きんぢさんの柔軟な発想から刺激を受けることもできて、とてもよい経験になりました。

 また、聴講してくれた方からたくさんコメント&質問もいただけたのもの楽しかったです。時間がなく超高速回答になってしまったので、またどこかでじっくり議論してみたいものですね。
 mass氏からもらったこのまとめは、とても励みになりました。ほんと地味で泥臭すぎるセッションテーマだと思ってたんで・・。

マニアック、骨太とのことですが、おそらくどの現場でもずっと悩んでいる問題 (弊社も前職でも) なので、むしろ需要ど真ん中だったのではという感想を持ちました。ありがとうございます。

 カオスエンジニアリング! AIちゃん!みたいな、トレンドにふさわしい大きなテーマはもちろん人気がありますが、わたしはこーいう「派手なセッションを聴いて興奮しながら現場に戻ってみたら、そこに転がっていた悩み」みたいなやつに取り組んでいきたいと思います!

今後やりたいこと

 で、コレ。

 一番やりたいのはこれです。ベストプラクティス作りたいんですよね。
 割と汎用的なナレッジになると思うので、英語化して発信する! 2023年度に!  誰か興味ありませんか?

One more thing ...

 今回わたしは「モノリシックなテスト管理」という言葉を、きんぢさんは「強いトレサビ、弱いトレサビ」という言葉を生み出しました。
 テストケース管理ツールについて語る際に、積極的にご利用ください(いつ?)。

  • モノリシックなテスト管理: テスト観点・テストケース・テスト実行・バグが、1つのエンティティとして強力に結合した形式のテスト管理。本来別のエンティティが結合してしまっているため、暗黙の裡に1:1:1:1であることが強制されてしまう。

  • 強いトレサビ 導出元(たとえばテストモデル)と導出先(テストケース)が連動しており、元の変更に追随して先も変更されるようなトレーサビリティ。

  • 弱いトレサビ 導出元と導出先を関連付ける情報は保持しているが、元の変更によって先が追随することまではしないトレーサビリティ。

資料

 資料は以下*1です。

鈴木資料

speakerdeck.com

きんぢさん資料

speakerdeck.com

聴講くださったからのレポート

ありがたや~。 sqripts.com

*1:二人ともピンインURL・・悲しい