ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

数学的事実がすでに宇宙に内包されているというワクワク感

 全然ソフトウェアの品質を学びまくる話ではありません。
 Webでこんな記事が人気になっていました。下の絵は、この記事からの引用です。

nlab.itmedia.co.jp

20141201_01

 こういう計算トリックみたいなのは定期的に人気になるので、「へいへい、またですか」とちょっと斜に構えてしまいます。この記事で紹介されている「計算」の方法も、考えてみたら、次の演算を絵にした「だけ」なんですよね。

12 * 13 = (10 + 2) * (10 +3)
  = 1 * 10^2 + (2+3) * 10^1 + 2*3 *10^0
  = 156

 まあそんな風に考えてドヤ顔をしているわけですが、代数的な操作が「図」に置き換わっただけでまったく違うものに見えて、理屈ではわかってもやっぱり不思議です。
 さて、最近Qiitaに上がった、量子コンピュータの記事が面白い*1のですが、この記事では「計算」を次のように定義づけています。

qiita.com

計算とは数学世界の数学的事実を物質世界に変換・展開することです。

  2次方程式因数分解してもいいし、解の公式を使って解いてもいい。でも、2次曲線をグラフにしてみると、「X軸との交点」という形で答えが示されています(それをどう「読む」か、という問題はあるけど)。

 極端な話、「2+3」を、「指を2本折って、さらに3本折って、結果的には5本折れている」というのも「物質世界に事実を展開」しているってことですよね。ねとらぼの記事の計算方法も、いつもは数式で計算していたものを、図という別の「展開」をしているわけです。
 数学的なあらゆる答えを、宇宙がすでに包含している、あとは人間がそれをどう読み解くかだけ・・・って、むちゃくちゃワクワクしませんか? 「ラプラスの悪魔」とかすごく中二くさいですよね!
 そこで思い出すのが、Greg Eganの『ルミナス』という短編です。『ひとりっ子』という本に収録されていいます。
ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

 

 宇宙に存在する無数の粒子が実は、悠久の時間と空間を使って延々と数学的な「真理」を演算し続けていて、しかしその「真理」同士には時に矛盾をはらみ、どちらが真の真理であるかを争っている・・・という荒唐無稽なお話です。この発想を、現実世界を紐づけるところで苦しさがあるのですが、イマジネーションをバチバチ刺激してくれる作品です。

 いつもながら結論がないのですが、Qiitaの記事、量子コンピュータの話になるまでずーっと迂回し続けるすごい内容です。

*1:しばらく経ってみてみたら、散々非難されたうえに削除されておりました。。量子コンピュータより前の部分は面白いのになあ・・・