ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

【本】クラウドについて手っ取り早く押さえるには、この新書を。

 「間違った予測をした」と間違って伝えられた、IBMの初代CEO・Thomas J. Watson、1943年の言葉
I think there is a world market for maybe five computers.
 この予測は、間違っていなかったのかも知れない。
 それを実現するのが、今や一般の新聞や雑誌でも当たり前の言葉として認識されつつある技術・クラウド
 本書はクラウドについて、IT関係者以外にもわかりやすく説明した入門書。タイトルの通り、「クラウドとはこういうもの」とコンセンサスが得られつつある部分を「常識」としつつ、その常識に一見反した動きを「非常識」として、合わせて説明している。
今さら聞けないクラウドの常識・非常識 (新書y 223)

今さら聞けないクラウドの常識・非常識 (新書y 223)

 

 読むとわかるが、その非常識を進めているのが、クラウドを牽引するAmazonだったりGoogleだったりする。非常識でなければイノベーターにはなれないということか。

 googleのクラウドを構成するサーバの台数は、300万(推定)だという。実サーバか仮想サーバかは不明だけれど、300万て・・・。
 ちなみに、google・Amazonと並ぶクラウドの雄・Salesforceは1,000台。何だか、コレを思い出しました。
 この膨大な数のサーバの1台1台は、高性能・高信頼性のハイスペックなものではなく、家庭用のパソコンのような安価なものだという。
 Amazon CTO・Werner Vogels氏の言葉。
数百万のコンポーネントから構成されるインフラの障害を扱うことは、われわれの標準的なオペレーションである。常に軽微な、しかし、かなりの数のサーバやネットワーク機器の障害が発生している。アマゾンのソフトウェアシステムは、可用性やパフォーマンスに影響を与えることなく、障害対応を当たり前のケースとして取り扱えるように構築されている必要がある。
 豪快だぜ・・・。100台作っても5台が不良品となるような品質なら、初めから105台作っておけばいいじゃんというアメリカンスピリッツが息づいています。クラウドという概念が、アメリカ中心に広がっていくのも納得がいく。
 クラウド、あるいはSaaS・Paas・HaaS、仮想化といった言葉を、とりあえず一通り理解しておきたいという向きに、さすがの新書です。