また懲りずに、術力式本の紹介です。
「術力式本」とは「○○仕事術」「△△力」「□□式」といった、その多くが書店の棚を一瞬かざっては消えていく、泡沫的なビジネス本のことを指します。「術」「力」「式」という3つの漢字には注意。
この種の本を手に取らない。取っても最後まで読まない。そんなライフハックが今、切実に必要とされています。
「術力式本」とは「○○仕事術」「△△力」「□□式」といった、その多くが書店の棚を一瞬かざっては消えていく、泡沫的なビジネス本のことを指します。「術」「力」「式」という3つの漢字には注意。
この種の本を手に取らない。取っても最後まで読まない。そんなライフハックが今、切実に必要とされています。
でも、今日のはいい本です。情報整理のグローバル・スタンダードとさえいえるGoogleの、元CIO(最高情報責任者)による書。
- 作者: ダグラス・C.メリル,ジェイムズ・A.マーティン,Douglas C. Merrill,James A. Martin,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12
- メディア: 単行本
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この本は、整理術の本ではありません。
たとえば、整理術の原則その①
「脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう」
そう言われて、「よぉし、じゃあ明日からさっそく脳の負担の少ない生活を組み立てよう!」。意味がわかりませんよね。どこが整理術ですか。
「脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう」
そう言われて、「よぉし、じゃあ明日からさっそく脳の負担の少ない生活を組み立てよう!」。意味がわかりませんよね。どこが整理術ですか。
『グーグル時代の情報整理術』 P.114 |
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私が疑問を呈したいことがある。それは「整理術は万人共通(であるべき)だ」という固定観念だ。 |
本書は、万国共通、明日から使えるライフハック大全!という趣きとはまったく違います。むしろ『7つの習慣』を思い起こさせる展開。生き方というものを、原理・原則から説き明かしていくような内容なのです。
- 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: ハードカバー
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あえてわかりづらい例で表現してみます。
2次方程式の問題を見て、どういう答えが必要か。
- とにかく、その2つの解をすぐに知りたい!
- 他の方程式にも応用できるように、2次方程式の解の公式を知りたい!
- その公式の導き方から知りたい、ついでにN次方程式の公式も導いてみたい!
著者の人生そのものに触れるような展開の末、第13章では、「仕事とプライベートはきっちり分けるぜ」という、アメリカのビジネスマンのステレオタイプを大きく裏切る言葉があります。
『グーグル時代の情報整理術』 P.297 |
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では、どうすれば「仕事とプライベートのバランス」を実現できるのか? はっきり言えば、できない。現代の頭脳労働社会において、「仕事とプライベートのバランス」は幻想でしかない。 |
これは単なる諦めなのか。もちろん、そうではありません。
その意味は、本書を読んで理解してみてください。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が、きっと空虚に聞こえてきますよ。
その意味は、本書を読んで理解してみてください。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が、きっと空虚に聞こえてきますよ。
ちなみに、第6章がgoogle検索テクニック特集、第9章がgmeil特集、第10章はgoogleカレンダー特集になってしまっていて、googleアプリをあまり使っていない人には、おそろしく退屈。