ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

ITシステムにおけるアビリティ用語

 「アビリティ」という言葉を、ファイナルファンタジーシリーズで覚えた世代のみなさま、こんにちは。ソフトウェアのqualitability&trade(嘘)を勝手に追求する、@kz_suzukiです。
 qualitabilityという言葉は存在しないだろうと思っていたら、googleで139件ヒットしました。ただし日本語ページでは1件もなかったので、このwebサイトを1番と認定してください。
 さて、IT用語には「~ability」とか「~性」といった言葉が大量にあります。特に強烈なのがISO 9126の、ソフトウェア品質特性に関する用語ですが、今回はそこには立ち入りません。
 SQuBOKガイドでまず出てくるアビリティが、「dependability」(信頼性)です。
 同じ「信頼性」として「reliability」がありますが、JIS Z 8115:2000によると、dependabilityは、
  • Availability(可用性)
  • Reliability(信頼性)
  • Maintainability(保全性)
を包括する、非定量的な概念だそうです。
重要インフラ情報システム信頼性研究会報告-総論 P.11
重要システムが提供するサービスが正確で信頼できる度合い、人が安心して情報システムに依存できる性質であり、フォールトトレランス(耐故障性)、フォールトアボイダンス(避故障性)や情報セキュリティなども含め信頼性、安全性、可用性などの複合的な性質を総称した概念
と、もう何でもアリです。
 説明としては、@IT情報マネジメント辞典の記事が、用語の関係・経緯など、一番わかりやすいでしょう。
コンピュータシステムの評価:RAS(IS)
 ここでふと、情報処理技術者試験でおなじみの、「RAS」を思い出します。コンピュータシステムを評価するための5要素「RASIS」のうち、特に大事な3要素。
  • Reliability(信頼性):MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)が指標になる
  • Availability(可用性):稼働率。MTBF/(MTBF+MTTR)
  • Serviceability(保守性):MTTR(Mean Time To Repair:平均復旧時間)が指標になる
 Serviceabilityを直訳すると「サービス可能性」で、「サービスをいかに提供できるか」ということでAvailabilityと混同してしまいがちですが、Serviceabilityは「保守性」と訳され、修理にどのくらいの時間がかかるかを表す指標となります。つまり、Maintainabilityと大きな違いはありません。
 ・・・つまり、dependabilityが包括するものと、変わりませんね。(ただしITILで定義しているServiceabilityはまったく違う意味のようです)
情報セキュリティシステムの評価:CIA
 情報処理技術者試験ついでに、もう1つの3文字用語も。
 トップページに比べて突然個人ページのような様相を呈する、ISMSコチラのページによると、情報セキュリティマネジメントシステムが兼ね備えているべき3つの要素は以下です。
  • 機密性(Confidentiality)
  • 完全性(Integrity)
  • 可用性(Availability)
 Availabilityがどこにでも顔を出すということだけは、よくわかりました。