ソフトウェアの品質を学びまくる

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【本】システム開発者のための仕様書の基本と仕組み

 目にとまったので読んでみることにしました。
図解入門 よくわかる最新 システム開発者のための仕様書の基本と仕組み[第2版]

図解入門 よくわかる最新 システム開発者のための仕様書の基本と仕組み[第2版]

 

  タイトルには「仕様書」とありますが、要件定義から設計・実装・テスト・リリース・保守までの作業内容や成果物、注意点を俯瞰的に概説しています。

 タイトルから、各仕様書に記載すべき事柄の深堀りを期待するよりは、ソフトウェア開発プロジェクトの全体像を捉えることが目的の本になると思います。浅く広く。
 架空のシステム開発に基づく会話をはさみながらなので、イメージしやすい内容ですよ。たとえば7-1「開発スケジュールの決め方」より、要件定義担当の吉田と、基本設計担当の佐藤の会話。
吉田「(略)・・・どうでしょう?」
佐藤「(略)・・・ている感じだと思います。(略)・・・妥当かな、という感じです」
吉田「(略)・・・という状態はないでしょうか?」
佐藤「(略)・・・大丈夫だと思います。(略)・・・予算枠だと思います。(略)・・・肝のような感じがしますね」
 佐藤、自分の発言に責任を持たなそうw
 システム開発の全体像をまだ把握できていない人に向いている本だと思いますが、自社の開発標準に慣れた人が読んでみても発見があるかも知れません。なお話のベースはウォーターフォール型開発で、この第2版には、アジャイル・Webアプリ開発の話を少し付け加わっている形になります。
 例で出てくるドキュメント(仕様、モデル、スケジュール、課題管理など)がほぼすべてExcelでの作成イメージになっているので、その時点で拒絶する人もいるでしょうけど、まあ完成イメージってことで。別にExcelでの画面遷移図を推奨はしてません。
 あと、誤字脱字が目立つ。ペルソナについて、「ペルソナは実際にアプリケーションを作るユーザーです。‥アプリケーションを使う立場で語ってくれる仮想的な人物を想定します。」というかなり理解困難な記述があったり、「並行」を「平行」と書き続けるのには閉口(注意:ダジャレです)。
 そして、索引に気合いが入っていないように思います。仕様書に関する本で、「VLAN」っていう項目はいらないと思う・・・。あと「ガバレッジ」って何よ・・・。
 とツッコミを入れてはみたものの、わかりやすい入門書だと思います。