以前、議論や詭弁に関するオススメ本を紹介しました。
これらの本を「面白い!」と思ってしまうような、論理と屁理屈好きの、嫌われやすい方に、この小説をオススメします。
Amazonの画像を見ると、「消えた初恋の女(ひと)は殺人者?」という煽りが何とも凡庸なのですが、そこらのミステリーとはまったく違います。
一応死人が出て、探偵めいたキャラクターも容疑者も現れる。でもそれらはお飾り。じっちゃんの名に賭けて真相を暴くような話ではありません。
メインは、容疑者の青年の弁護士役と検事役による、詭弁でも屁理屈でもとにかく聴衆を納得させたものが勝ちという戦い。容疑者となった青年も、疑いを晴らすためでなく、「消えた初恋の女(ひと)」に再会するために、その場に臨んでいるのです。
メインは、容疑者の青年の弁護士役と検事役による、詭弁でも屁理屈でもとにかく聴衆を納得させたものが勝ちという戦い。容疑者となった青年も、疑いを晴らすためでなく、「消えた初恋の女(ひと)」に再会するために、その場に臨んでいるのです。
弁護士役と検事役が繰り広げる、丁々発止の言葉の罠が最後まで間断なく続きます。勝つのは一体どちらなのか、そして青年は「消えた初恋の女(ひと)」に再び会うことができるのか?
最後の1文まで気を抜かずに書き切った感があり、とても軽快にまとまったお話です。感動や思想があるわけではありませんが、論理の展開を楽しめる異色の作品ですね。
最後の1文まで気を抜かずに書き切った感があり、とても軽快にまとまったお話です。感動や思想があるわけではありませんが、論理の展開を楽しめる異色の作品ですね。