スパイ物が好きな人、SFが好きな人、「ラヴクラフト」と聞いてピンとくる人、みんなで楽しめる、信じがたい一冊。読むべし!
- 作者: チャールズ・ストロス,小阪淳,金子浩
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 単行本
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舞台は現代イギリス。しかし人々の知らないところで、「ラヴクラフト的」宇宙と「恐怖」の存在を、ある組織が食い止めている。そんな世界。
これでもかこれでもかと繰り出される学術用語&魔術用語。作家の勢いがそのまま伝わってくるような、読みづらく冗長な文章。そして、中身とまったく一致しない露悪的なタイトル(ヘボ邦訳かと思ったら、原文のままだった)。。。
これらは所詮、物語をそれらしくするためのアイコンだと思って。
これらは所詮、物語をそれらしくするためのアイコンだと思って。
「残虐行為記録保管所」P.41「最初はレーザー召喚、つまりさっきわたしが黒板に書いた座標を使った第三種召喚です。これによって<無名の恐怖>の<一次顕現>が生じますが、あたりまえの注意事項を守っていれば、ごく扱いやすい<無名の恐怖>になるはずです。
(中略)
この召喚に用いる幾何学空間は円周率を4とすることによって得られる変形ミンコフスキー空間で、フラクタル次元は含まれていませんが、この図形をマッピングする空間に発光エーテルが存在するためやや複雑になっています」
こ~んなステキ会話に「なんだかオラ、わくわくしてきたぞ!」と感じるのであれば、さあ読むべし。です。
ちなみに、わたしがこの小説で、特に面白いと思った世界設定。
それは、魔術や呪いにおける「いけにえ」とはすなわち、量子論における「観測者」であるというもの。観測者の観測という行為そのものが、事象に影響を与える。そのためにいけにえは必要なんだと!
すごい発想じゃないですか!?これ。
続編もあるっぽいので、楽しみにしているのでした。
それは、魔術や呪いにおける「いけにえ」とはすなわち、量子論における「観測者」であるというもの。観測者の観測という行為そのものが、事象に影響を与える。そのためにいけにえは必要なんだと!
すごい発想じゃないですか!?これ。
続編もあるっぽいので、楽しみにしているのでした。