4月4日のエントリで言及した「技術評論社の新刊が2冊」のもう1冊。こちらの方こそ、このブログのテーマに則している。
本書は、入社してすぐに品質管理の部門に配属された人や、突然「品質」というテーマについて考えさせられることになったSEなどにお勧め。逆に、品質についてある程度知っている人、考えたことのある人にとっては物足りないかもしれない。
まず予想通り、最初の節のタイトルは「品質とは何か」。萎える。
『SEの「品質」力』P.21品質の良し悪しは、顧客がそのソフトウェアを使うことで「やりたかったこと」をどこまで満足に実現できるかによって評価されます。
このような「お客様の立場」、もっというと「お客様の主観」が品質の尺度だ、というような話はよく見かけるが、個人的には賛成しない。何だか、客観的に品質を定義することを諦めた、敗北主義のような・・・。
という話はおいといて。
ソフトウェアの品質を下げるのは何か。
筆者は、品質を落とす怠惰な態度として、「動けばいい」派と「基準を満たせばいい」派というのを紹介している。意味はそのまま。
さすがにわたしの周りには「動けばいい」派はまずいないけれど、必要条件でしかないチェックリストを満たして「よーし!おっけーい!だよね?」というヤカラは、まあ・・・たまにいるかな。
ソフトウェアの品質を下げるのは何か。
筆者は、品質を落とす怠惰な態度として、「動けばいい」派と「基準を満たせばいい」派というのを紹介している。意味はそのまま。
さすがにわたしの周りには「動けばいい」派はまずいないけれど、必要条件でしかないチェックリストを満たして「よーし!おっけーい!だよね?」というヤカラは、まあ・・・たまにいるかな。
第2章では、「初級SEにありがちな6つの誤解」として、
誤解① 品質管理とはテスト技術のことである
誤解② 最新技法を導入すれば品質はよくなる
誤解③ 品質管理を強化するとコスト・納期が増す
誤解④ バグがあってはならない
誤解⑤ 私=つくる人、あなた=なおす人
誤解⑥ ISOを取得すれば大丈夫
という話をしている。③あたりは、「コストとスケジュールが決まってるんだから、品質だけ上げるなんてできないだろ!」という発想になっちゃっている人によく読んでもらいたいところだ。コストとスケジュールが決まっている中でも、全体として品質を上げることはできる(はずだ!)。
この他、品質管理に用いられる、QC7つ道具・パレート図・マトリクス表といった基本的なツールについて、簡単にではあるが言及しており、広く浅く「品質管理って何するんだろう」を知るにはよいだろう。
が・・・、
品質管理をことさら「地味だと思われがちですが・・・」的な卑屈な態度で説明しちゃうことが多く、ちょっと心外。
わたしはソフトウェア品質の分野って、とてもエキサイティングだと思ってます。なぜなら、未成熟だから。自分が何か切り開けるかも知れないんだぜ!?
品質管理をことさら「地味だと思われがちですが・・・」的な卑屈な態度で説明しちゃうことが多く、ちょっと心外。
わたしはソフトウェア品質の分野って、とてもエキサイティングだと思ってます。なぜなら、未成熟だから。自分が何か切り開けるかも知れないんだぜ!?