うわわわわ!読後感悪い!
第6回本屋大賞となった、湊かなえのデビュー作・『告白』はそんな小説です。
図書館の500人くらいの予約待ちキューが今日やっと掃け、週末にゆっくり読もうと思ったのですが、3時間で読了してしまいました。いやあ今日は帰宅後、集中して勉強するつもりだったんですけどね、この本のせいで。挫折しました。この本のせいで!
『告白』は、一連の悲惨な事件を6つの章にわけ、それぞれ別の人間の視点から解き明かしていくというミステリー。人間の「心の闇」(笑)が連鎖に連鎖を重ね、モノローグのうちにさりげなく潜むイヤな伏線がどんどん回収されていく・・・。ちょっと話の方向に光が垣間見えても、次の章で全否定されてしまうような底意地の悪さ。
道尾秀介の『鬼の跫音』に納められた一連の短編も、切れ味抜群の伏線と重苦しい空気に満ちているんだけど、そこには何となく「小説」の匂い、「これは作り話だよね」という一線があった。
でも『告白』は、「これ本当にあるんじゃないの?」という、一歩間違ったら現実側に倒れこんできてしまいそうな手触りがあり、とても気持ち悪い。それでいて、とても面白い。(勉強に手がつかないのも無理はないね)
面白いけど、でもこういう「見事な伏線」な小説を、最初の1回、伏線確認で2回、まではともかく、3回以上読む人っているんでしょうか。ある意味、星新一のショートショートにすごく肉付けして暗~くした作品、であり、何回も読むもんじゃないですよね。つまりもっと言うと、買う本じゃないですよね。Amazonにリンク張っておいてナンですけれども。
あ、星新一は未だに何回も読みます。
大好きです、『ボッコちゃん』。
大好きです、『ボッコちゃん』。