ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

【翻訳】探索的テスト3.0 - その2

 超間が空きましたが、James BachさんとMichael Boltonさんの記事・「Exploratory Testing 3.0」の、「探索的テスト1.0」と「1.5」の部分を翻訳しました。
 正直いって、よくわからん箇所はわからないままで訳していますので、みなさまの清きご指摘で改善していきたいと・・・思います。赤い字は特に怪しい。
※ちなみに、『システムテスト自動化 標準ガイド』は「商用の」翻訳なので、「よくわからん箇所」は全部つぶしましたよ! ・・・うん、いばるとこじゃない。

探索的テスト1.0

 1.0は、確固たるテストの手順がないゆえに、探索的テストがコントロール不能な、悪しきものと捉えられていた時期のもの。そこで筆者らは、方便として探索的テストを「テスト技法」と扱うことで、探索的テストをテスティングの一部に取り入れることにしたといいます。
 なお今では、探索的テストを「スタイル」あるいは「アプローチ」と捉えており、技法ではないとしています。

探索的テスト1.5

 1.5は、理論を深めていく時期のものです。
 ソフトウェア工学にとどまらず、認知心理学、批判的合理主義といった分野をも用いてテスティングを理解・把握していこうとする過程が見て取れます。この文章のみからだと、それらがどのように反映されていったかは読み取れないのですが、テスティングをソフトウェア工学の中に押し込めず、別の領域から解釈してみようとするところがすごいと思います。

 この時期に、JamesとCemの協働が始まります。Microsoftにおける探索的テストの定型化と、HPにおけるセッションベースドテストマネジメントの開発を通じて、「定型的なアドホックテスト」という逆説的な形を生み出します。
 これもまたある意味では、形にこだわる「型式屋」に対する方便にすぎないように思えますが、この逆説こそが新しい議論を生み、探索的テスト2.0につながっていきます。これが弁証法ってヤツなんでしょうか。

アドホック、について

 「アドホック」は、「思い付きの」「手当たり次第の」というようなネガティブなニュアンスを、必要以上に貼り付けられているのかもしれません。原文を読んで知ったのですが、もともとはそんな意味じゃないのですね。Oxford Disctionaryを引いてみましょう。

www.oxforddictionaries.com

「必要に応じて、特定の目的のために作られるもの、またはなされること」ということから、筆者らは「アドホックテスト」と「探索的テスト」を区別することをやめる方向に行きたいようですね。

 さあ次回は、いつ更新になるかな!
 なお、@MasaoAprilさんが原文の要約とコメントをブログで公開しているので、そっちの方が早いですw