第7章はインシデント管理。過去のエントリはコチラ。
2周目の補足事項
「再テスト」と「回帰テスト」の定義って何だろう?と、twitterにて@MAQ69さん、@mori_ryujiさんとやり取りしました。調べた結果わたしも考えをあらためまして、今の立場は以下の以下のとおりです。
- 再テスト:欠陥を改修したあと、その欠陥によりNGとなっていたテストケースそのもの、および改修により影響が予想される周辺のテストケースをやり直す。
- 回帰テスト:欠陥を改修したあと、その欠陥による影響の判断とは無関係に、過去にOKとなっていたテストケースを一通りやり直す。
ただし、回帰テストは欠陥の改修だけではなく、機能変更・追加・削除、リファクタリング、環境の変更など、プログラムに影響を与える変化に伴い、実施します。
非模擬問題
で、上の話とはまったく関係のない問題を作ってみました。
(A)1, 2
(B)1, 3
(C)2, 4
(D)2, 3, 4
- インシデントが必ず欠陥であるとは限らない。
- テストにおいて発見される欠陥とは、テスト対象のプログラムに内在するものを指す。
- IEEE 1044では、プログラムの欠陥の記録方法や、分類方法を定義している。
- DDPとは、発見された欠陥のうち、フィールドに流出してしまったものの割合を指す。
答えは(B)です。
1.について、用語集(PDF)では、インシデントを単純に、
発生した事象の中で、調査が必要なもの (JSTQB)
と定義しています。テスト環境の不備やテスト担当者の勘違いなどにより、想定外のことが起こることもありますので、インシデント=欠陥とはいえません。
2.について、シラバス7.2に以下のような記述があります。
Advanced Levelシラバス P.82
ただし、欠陥は、テスト対象だけでなテストウェアにも存在する可能性があるということを認識しておく必要がある。
なので2.は正しくないとしているのですが、ISTQBシラバス準拠の『ソフトウェアテストの基礎』によると、
『ソフトウェアテストの基礎』 P.234
インシデントはシステムが疑わしい振る舞いを示す状況ですが、インシデントの中で根本原因がテストしているアイテムにて何らかの問題がある時にだけ欠陥と呼びます
とあり、矛盾が・・・。今回は、Advancedのシラバスの記述を優先しています。
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4.は、DDP(欠陥検出率)の分子はテスト担当者の発見した欠陥の数です。もちろん、高い方がよいでしょうね。