書評
目にとまったので読んでみることにしました。 図解入門 よくわかる最新 システム開発者のための仕様書の基本と仕組み[第2版] 作者: 増田智明 出版社/メーカー: 秀和システム 発売日: 2015/09/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルには…
「『図書館戦争』って、読んだことありますか?」 恵比寿のオサレ飲み屋で後輩にそう聞かれたのは、『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒロイン・栞子さんの魅力を、ぼくが熱心に語りまくった後のことだった。 ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人た…
はじめに、次の文章を読んでみてください。 「ツールの導入により、1,000行あたりの欠陥の数が30%減った」 「ツールの導入により、1,000行あたりの欠陥の割合が0.3%減った」 どちらのツールが効果的に聞こえるでしょう。2つの文はともに、コード1,000行あた…
ヤマハ・小池さんによる、統計解析ソフト「R」の勉強会。 以下の記事で紹介した第1回に続き、第2回の開催が告知されています。わたしも参加する予定です。 www.kzsuzuki.com これに先だって、そこら辺にある統計の入門書のいくつかに、ざっと目を通してみま…
フィクションにおける「天才」の濫用は、物語を堕落させる最大のファクター。たとえば『るろうに剣心』の比古清十郎。こんな最強キャラは、出してはいけないのです。 天才キャラは、その天才性をアピールしつつ、努力キャラの引き立て役としていかに配置すべ…
まさかジープで来るとは (幻冬舎文庫) 作者: せきしろ,又吉直樹 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/04/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 学生の頃『伝染るんです。』を読んで、「日本人に生まれてよかった!」と思いました。この特…
週刊誌の記事タイトルの、嫌味と侮辱に満ちたカッコ使いが嫌いだ。 週刊新潮 4月28日号 鎮まらぬ「福島第一原発」専門学者4人に訊く――このまま「冷温停止」か「再臨界」で「爆発危機」か 暴走「1号機」から「4号機」まで再点検する バラエティ番組で「ほら、…
「科学する」。 何という前時代的な表現でしょう。この古くさいタイトルは、「科学」という態度に対するアイロニーを込めたものだと善意に解釈していました。 しかし「西洋は物質文明、東洋は精神文明」という極端な二元論、「科学万能の時代に警鐘を鳴らす…
システム開発におけるアンチパターンの本を2冊、読みました。 1冊目は、『44のアンチパターンに学ぶDBシステム』。ブログ『データベースコンサルタントのノウハウちょい見せ』の筆者である小田圭二さんの著書です。 44のアンチパターンに学ぶDBシステム (DB …
明けましておめでとうございます。ブログで書きたいと思っているソフトウェア品質関係のネタはたくさんあるのですが、まとまらずに読書感想文ばかり書いた昨年末でした。2011年の最初の記事はやはり!読書感想文です。 そして、僕はOEDを読んだ 作者: アモン…
「先行者」というスーパーロボットを覚えていますか?20世紀末に中国で開発された「最先端ロボット」のことで、「侍魂」というサイトでの紹介により、爆発的な人気を誇ったものです。 このロボットが、当時の中国の本気だったのかどうかは未だにわかりません…
ウイルス、およびアンチウイルスソフトに関する話題を中心に、ネット周りのセキュリティについて、McAfeeのCTOが幅広く語った本。 大学の理系教科書みたいな暗い表紙に、これまた色気のないゴシックフォントで『セキュリティの神話』。いまいちとっつきづら…
以前、議論や詭弁に関するオススメ本を紹介しました。 www.kzsuzuki.com これらの本を「面白い!」と思ってしまうような、論理と屁理屈好きの、嫌われやすい方に、この小説をオススメします。 丸太町ルヴォワール (講談社文庫) 作者: 円居挽 出版社/メーカー…
本の厚さ・重さを表現するのに、「漬物石にする」という古典的な表現がありますが、漬物が浸かりすぎるくらい(物理的に)重厚な2冊のハードカバーを読了。 島田荘司『写楽 閉じた国の幻』:684ページ・4.2cm 花村萬月『ぢん・ぢん・ぢん』:676ページ・4.4c…
本書『業界のセオリー』は、「ビジネス界に脈々と伝わる先人の知恵」という副題が語るように、「ある業界で生き残ってきたセオリーは、別の業界でも通用するはず」という発想のもと、様々な業界の「セオリー」とその意味、応用を集めたもの。 ビジネス界に脈…
想像してみてください。 何万年ものあいだ、太陽の周りの巨大な軌道をたどり続けてきた彗星の一部が、あるとき地球の引力に捕らわれて流星となり、大気圏を突き抜け、猛スピードで地表に激突する・・・。 さてこの時、その隕石はどんな様子でしょう。 素手で…
SFの魅力といえば、独創的な世界観、科学の勝手な拡張、人類以外の知的生命体など、たくさんあります。それに加え、戦いがテーマとなれば「何のために何と戦っているのか」という骨組みも、大きな魅力ですよね。 「謎の敵との戦い」のあるSFを2品、読みまし…
その本は、「科学をわかりやすくする」を標榜する本にありがちな「まえがき」から始まる──。 『確率的発想法』 P.3 ここで確率と聞いて顔をしかめたなら、あなたは間違いなく学校教育の犠牲者でしょう。断じていいますが、「学校の確率」というのは、本物の…
「自衛隊がいるところが非戦闘地域」、「きれいな辺野古の海を汚してはいけない」といった政治家たちのレトリックを聞くたび、自分ならどうやって反論してやろうかと舌なめずりする上品な人なら、この本、というより香西秀信氏の本は美味しすぎます。立て続…
コンピュータ・サイエンスではなく、ソフトウェア・エンジニアリング。 「IT系企業で働いてみたいなー」と考えている学生さんにオススメしたい、「実際のソフトウェア開発ってどういうことをするの?」ってことがよくわかる1冊。 ずっと受けたかったソフトウ…
また懲りずに、術力式本の紹介です。 「術力式本」とは「○○仕事術」「△△力」「□□式」といった、その多くが書店の棚を一瞬かざっては消えていく、泡沫的なビジネス本のことを指します。「術」「力」「式」という3つの漢字には注意。 この種の本を手に取らない…
googleという企業について書かれた本は少なくありませんが、企業や技術ばかりでなく、「検索」という行為そのものについて、読み応えのある論評をしているのが本書です。 ネット検索革命 作者: アレクサンダー・ハラヴェ,田畑暁生 出版社/メーカー: 青土社 …
マルチメディア時代を生きるビジネスパーソンたるもの、GmailとEvernoteとDropboxを自在に使いこなし、iPhoneを含む3台以上の端末を駆使して、オフィス・カフェ・図書館・校舎の裏・盗んだバイクの上など、場所を選ばずに仕事しまくります。 そんなワークス…
いわゆるポピュラー・サイエンス系の本を2冊、ご紹介。 世界を読みとく数学入門 悪しき義務教育の弊害で、数学が大嫌いになった人たちを救いたい・・・。 そんな慈愛の心から生まれたであろう本書。 世界を読みとく数学入門 日常に隠された「数」をめぐる冒…
「脳のなかの幽霊 V.S. ラマチャンドラン」! 「ホームズ 対 ルパン」を思わせる煽りですが、亡霊と戦うインド人の冒険活劇ではございません。脳に関するお話の本である。 脳のなかの幽霊 (角川文庫) 作者: V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリ…
いよいよ28日、softbankからiPadが発売されるということで、早く読まないと・・・と思って手にした(@図書館)のが本書『紙の本が亡びるとき?』であった。 紙の本が亡びるとき? 作者: 前田塁 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2009/12/22 メディア: 単行本…
国産SF、3連発。どれも多世界解釈と人間原理の賜物でした。 SFをてっとりばやく面白げにするのに便利なネタだけど、こうも連射されると。。。でも、惹かれずにはいられない。 クォンタム・ファミリーズ 2035年から現代に、1通のメールが届く。 SF好きな人な…
「間違った予測をした」と間違って伝えられた、IBMの初代CEO・Thomas J. Watson、1943年の言葉。 I think there is a world market for maybe five computers. この予測は、間違っていなかったのかも知れない。 それを実現するのが、今や一般の新聞や雑誌で…
算数時代における子供らって、「早く答えを出したヤツがえらい」ってところがある。そのせいでわたくし、毎回通信簿に「答えは早いがケアレスミスが多い」と書かれたわけですが、そのちょっとした優越感が、「算数好き!」という気持ちにつながると思うのだ…
4月4日のエントリで言及した「技術評論社の新刊が2冊」のもう1冊。こちらの方こそ、このブログのテーマに則している。 SEの「品質」力 (技評SE選書) 作者: 幸地司,内山幸央 出版社/メーカー: 技術評論社 発売日: 2010/03/04 メディア: 単行本(ソフトカバー…