ソフトウェアの品質を学びまくる

ソフトウェアの品質、ソフトウェアテストなどについて学んだことを記録するブログです。

書評

2023年後半に読んで特によかった本

2024年になりました。新年、あけましておめでとうございます! 2023年の後半に読んだ本を振り返って、よかったな~と思うものを記録しておきます。 ソフトウェア開発 システム障害対応の教科書 システム障害対応の教科書作者:木村 誠明技術評論社Amazon ITシ…

2023年前半に読んで特によかった本

今年の前半6か月で読んだ本のうち、お気に入りのものを紹介します。 読んだ後時間が経つとどんどん書く気がなくなるので、その時点でツイートに吐き出したものをまとめ直しております。 なお、前回分はこれ。 www.kzsuzuki.com IT技術系 アジャイルメトリク…

【読書感想文】『ソフトウェアテストのセオリー』は長く付き合えそうな良書です。

『土台からしっかり学ぶ ソフトウェアテストのセオリー』を、著者のお一人経由でリックテレコムさんからご恵投いただきました。 土台からしっかり学ぶーーソフトウェアテストのセオリー作者:小川秀人,佐藤陽春,森 拓郎,加賀洋渡リックテレコムAmazon ここま…

2022年度上期に読んで特によかった本

上期に読んだ本の中で特によかったものを、Twitterに放流した感想を流用しながら、紹介していきます。 技術書もたくさん挙げられるといいのですが、技術書って「読み終わる」じゃなくって、「読み続ける」感じなので、完結したレビューが書きづらいんですよ…

『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』に答えられないからチェックリストを使うしかない

信頼できる読み手がTwitterで言及しているのを見つけて読んでみました、『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』。 期待通り、とってもいい本だったので紹介してみます。 アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの…

有志と #ソフトウェアテスト読書マップ を作りました!

2022年9月9日にこんなツイートをしたところ、 ソフトウェアテストの書籍・資料について、こういうマップを作ってみたい。「QA関連」でできるといいんだけど、縦軸が定まらない。一番繰り返し読んでいるドリル本をサンプルにしてみたけど、テスト分析自体がす…

【読書メモ】発想の組み合わせが面白い本2冊

ショートショートの大家・星新一は、その膨大な作品のもととなった発想の源泉について、「アイデアは、異質なものを結びつけるところから生まれる」と語っています。また、「技術革新」と訳される「イノベーション」は、実は既存のモノやコトの組み合わせか…

ソフトウェアそのものじゃないけど面白いアルゴリズムだなと思ったお話

この記事では、「プログラミングじゃないんだけど、すごくアルゴリズムっぽいな!」と思った話を2つ紹介します。タイトルそのままですね。 流量制御っぽい話 一つ目は、『ホルムヘッドの謎』という本からの紹介です。 本書は、国文学者・林望氏によるエッセ…

『THE CULTURE MAP』が教えてくれる、国民性の8つの軸

「日本人ははっきりとNoを言わず、米国人は何でも包み隠さずに直言する」。 こういった「国民性のイメージ」は誰しも、多かれ少なかれ持っているでしょう。 さすがにそこまで単純ではないにせよ、考え方や習慣は、国や地域ごとに無視できない傾向があるよう…

『ソフトウェアテスト技法 練習帳』を解きながら、自分の考え方も整理していく。

『ソフトウェアテスト技法 練習帳』を、じわじわ解いています。 ソフトウェアテスト技法練習帳 ~知識を経験に変える40問~作者:梅津 正洋,竹内 亜未,伊藤 由貴,浦山 さつき,佐々木 千絵美,高橋 理,武田 春恵,根本 紀之,藤沢 耕助,真鍋 俊之,山岡 悠,吉田 直史…

2019年に読んで好きになった本

「今年の漢字」を個人的に選ぶとしたら、わたしはまっさきに「A」を選びます。そう、「インフルエンザA型」のAですね。 保育園恒例のクリスマスプレゼントとして次男がまずもらい、それでも治る頃にはギリギリ帰省の予定には間に合うという日程感と思ってい…

GAFAの席巻に関する、語り口の全く違う2冊の本

『GAFA×BATH - 米中メガテックの競争戦略』と、『the four - GAFA 四騎士が創り変えた世界』という本を読みました。 タイトルの通りテーマはともにGAFAなのですが、切り口と味わいがまったく違ってとても面白いので、読書感想文を書いておきます。 GAFA×BATH…

【読書メモ】世界の「かつて」と「今」を正しく捉えるための『FACTFULNESS』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2019/01/11メディア: 単行本この…

データサイエンスが今もなおセクシーだと感じるビッグデータの使い方

2007年の米国で大規模な景気後退が始まったとき、ストレスにさらされた大人たちによる、児童への虐待が増加するのではないかと危ぶまれました。しかし公式データによると、虐待保護件数はむしろ減少。特に、不景気の影響が大きい州ほど減少の幅が大きかった…

寿司とシャンパン、ディープラーニングとExcel、そんなマリアージュ

『大予測 次に来るキーテクノロジー2018-2019』という本を読みました。野村総研のアナリストである城田真琴さんが、「次に来る」8つのテクノロジーの今とこれからについて、ふんだんな事例とともに解説したものです。 大予測 次に来るキーテクノロジー2018-2…

【書評】英文法をがんばりたい人は『サバイバル英文法』を読むべきだ、絶対。

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という言葉がありますね。もらった魚はその場しのぎにしかならない。けれど、釣り方がわかれば、継続的に魚を得ることができる。 『サバイバル英文法』は、英文法の「釣り方」を教えてくれる本です。タイトルか…

数学的事実がすでに宇宙に内包されているというワクワク感

全然ソフトウェアの品質を学びまくる話ではありません。 Webでこんな記事が人気になっていました。下の絵は、この記事からの引用です。 nlab.itmedia.co.jp こういう計算トリックみたいなのは定期的に人気になるので、「へいへい、またですか」とちょっと斜…

『システムテスト自動化 標準ガイド』のAmazon予約が始まりました!

テスト自動化研究会(STAR)では並行していくつかのプロジェクトを進めています。 そのプロジェクトの一つに、「『Software Test Automation』の翻訳」という大事業(笑)があります。わたしはこのプロジェクトのなんちゃってまとめ役を務めております。 『Sof…

2013年に読んで面白かった本 - その3

マンガでその1・その2をやりましたが、その3で終わりです。マンガ以外読んでなさすぎだろ・・・。 kzsuzuki.hatenablog.com kzsuzuki.hatenablog.com 小説編 いろいろ読みましたが、やっぱりSFが好きみたいです。 天涯の砦 近未来の宇宙開発時代を舞台にした…

2013年に読んで面白かった本 - その2

マンガ編(続き) その1の続きです。 kzsuzuki.hatenablog.com 式の前日 叙述トリックのよく効いた名短篇集。 叙述トリックって、たとえば話者をわざと誤解させたりと、視覚面を想像で補う小説でこそ実現しやすい仕掛けだと思うんだけど、マンガでうまくやる…

2013年に読んで面白かった本 - その1

2013年も暮れですね。今年はたくさん本を読みました。良質な出力をするためには、良質なインプットが必要ですからね!レンタル屋さんでマンガをたくさん借りました。 ということで、今年読んでよかった本を紹介します!リンクから飛んで、Amazonで購入してく…

自らの心の闇に直面させられる恐ろしいレビューのテキストが登場・・・!

これまで、設計レビューに関する書籍の定番と言えば、Kerl E. Wiegers氏の『ピアレビュー』でした。そこに今年、新たな定番が加わりました。しかも、日本語で。 ピアレビュー 作者: Karl E.Wiegers,大久保雅一 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2004/02/28…

悪意あるベンダーが跳梁する世紀末IT業界を生き抜く

ITシステムに関する契約は、契約・発注・指示・検収・支払いを各部門が分担して行っており、全体像がよくわからない・・・。納品とか検収とか、請負とか準委任とか、瑕疵担保責任・善管注意義務とか、言葉は知っていても「詳しく・正しく」と迫られるとちょ…

【本】老いてますます健在というところかな

「じじい」という言葉はふつう、罵倒の意味を含んでいるもの。老獪な古強者に対する若者の反発はしかし、無自覚な畏敬をときににじませます。たとえば・・・、 ●承太郎から見たジョセフ ●赤木から見た市川 今頃になって夢中になっている将棋マンガ・『3月の…

海外のソフトウェアテスト雑誌を眺めてみる

ソフトウェアテストに関する雑誌といえば、技術評論社から出ている『ソフトウェア・テスト PRESS』。そして、特殊な場所でしか頒布されないことで名高い『Software Testing ManiaX』があります。わたしも揃えて、しっかり積読しています。 gihyo.jp circle-o…

『知識ゼロから学ぶソフトウェアプロジェクト管理』と、品質管理のメトリクス

いくつかのレビューで好評だった、勝呂暖生さんの『知識ゼロから学ぶソフトウェアプロジェクト管理』を読んでみました。 知識ゼロから学ぶソフトウェアプロジェクト管理 作者: 勝呂暖生 出版社/メーカー: 翔泳社 発売日: 2012/05/26 メディア: 単行本(ソフ…

【本】組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め

IPA・情報処理推進機構には、いろんなものをススメられています。 定量的品質予測のススメ―ITシステム開発における品質予測の実践的アプローチ (SEC BOOKS) 作者: 情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター 出版社/メーカー: オーム社 発売日: …

【本】システム開発者のための仕様書の基本と仕組み

目にとまったので読んでみることにしました。 図解入門 よくわかる最新 システム開発者のための仕様書の基本と仕組み[第2版] 作者: 増田智明 出版社/メーカー: 秀和システム 発売日: 2015/09/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルには…

【本】ラブコメ脳をこじらせて入退院を繰り返す中年男のラブソディ

「『図書館戦争』って、読んだことありますか?」 恵比寿のオサレ飲み屋で後輩にそう聞かれたのは、『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒロイン・栞子さんの魅力を、ぼくが熱心に語りまくった後のことだった。 ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人た…

【書評】最も単純に見える「確率」にすら大いにダマされる

はじめに、次の文章を読んでみてください。 「ツールの導入により、1,000行あたりの欠陥の数が30%減った」 「ツールの導入により、1,000行あたりの欠陥の割合が0.3%減った」 どちらのツールが効果的に聞こえるでしょう。2つの文はともに、コード1,000行あた…